平成18年3月26日事前了解知事記者会見(会見録2)
○時事通信
先ほど知事は、県民の理解が深まったと。今後については、九州電力とか国が前面に出て、県民の理解を得てほしいということですが、安全性は確保されたとおっしゃった県、安全宣言を出された県も同じく前面に立って、県民に対する理解を深める努力が必要ではないかと僕は思うんですよ。
例えば、このプルサーマルですけれども、玄海町、唐津市の人は、確かに理解はかなり深まったとは思うんですが、例えば、鳥栖、鹿島あたりの人はどこまで理解しているのかなと、僕はちょっと不安に思うんですね。万一事故が起こったときには、佐賀県全体が農産物一つにしても、風評被害を受けたりとか、深刻な被害が出るおそれがあるわけです。そういう意味でやっぱり県民全体の理解というのは、当然これから必要だと思うんですけれども、その辺について、どのように取り組まれていかれるのか、お伺いできますでしょうか。
○知事
安全性という問題を中心にして言えば、安全性を具体的に実現していくところは、電力事業者でありますし、それを担保する規制というのは国でやっています。そしてまた、このプルサーマルという政策は、何より国がエネルギー政策の柱として進めていこうとしているものでありますので、国と電力事業者が、まずはきちんとした広報活動をやるべきだという考え方に変わりはありません。しかしながら、私たちも、もちろんこうやって県としての判断をしたわけでありますから、そのことについて、県民の理解を深めるという活動は必要だと思っております。
具体的には、九州電力や国がどういうふうな広報活動をされるのかといったことを見て、重複したりしないようにということは必要になると思いますけれども、県としても、今回の判断に至った理由、今後どのようになっていくのか、そうしたことについて、しっかりと県民の方にわかりやすい広報をしていきたいと思っております。
○時事通信
具体的にはどういったものをお考えなんでしょうか。
○知事
例えば、それはケーブルテレビを使ったりとか、新聞紙面を使ったりとか、そういったものが考えられると思います。
○毎日新聞
あと、前回の2月7日の日は安全性についてだったんですけれども、今回は全部含めて同意ということなんですが、核燃料サイクルの必要性からもう一度説明してほしいんですけれども、再処理には非常にコストがかかるというところで経済性を疑問視する声もあるんですが、知事はその点はどう考えて今回の判断に至ったんでしょうか。
○知事
再処理の方がお金がかかるという声もありますけれども、ではこれをやめて、もともと全部直接処分するということになれば、それは今つくりつつあるものを含めてすべてやり直しということになるわけでして、そうしたことを考えれば、そっちの方がよりコストが高いと私は考えます。そうしたことを含め、さらには、言わば再処理すればまた使えるエネルギーのもとを使わずにそのまま捨ててしまうというのと、再処理してもう一度今度は国産のエネルギーとして使うということをどちらとして選ぶべきかと言われれば、私は国がもう一遍再処理して使っていくという道を選んだということは、それはエネルギー資源に乏しい我が国としては理解できるということであります。
○西日本新聞
西日本新聞です。先ほど知事は、今回、大臣がいらっしゃったことについて安心が得られたと。それで今回の結論に至ったんだというお話をされましたが、安心が得られたというのは、知事はそうかもしれませんけど、それが県民に広がったのかどうかを見きわめた上で判断ということも考えられたのではないかなと思うんですが、それについてはいかがですか。
○知事
それは判断をするのが私で、私としては、もちろん自分自身ではなくて、こうした動き、これはまた皆様方のメディアを通して報道されることになると思いますけれども、そうしたことを通じて、多くの県民の方々もご理解いただけるというふうに判断をしています。
○西日本新聞
ほかの県ではプルサーマルについて、事前了解までは進んでいるところはあると思うんですが、今回、もしこのままいけば佐賀県がプルサーマルを実施するのは初めてということになると思うんですね。その意味で、今日の知事の判断というのは、これは非常に大きな意味があると思うんですが、それについては、ご自身ではどのようにお考えでしょうか。
○知事
事前了解そのものが一番最初ということではないというふうには思っていました。もちろん、順番が最初になるからやらない、2番手、3番手であればやるという問題ではないだろうというふうに思っておりましたので、その意味では、順番をあまり意識したことはございませんが、いずれにしても、今現時点でいえばプルサーマルの計画が進んでいるのは我が県だけしかないということになりますので、その意味でこれまで以上に、より慎重に電力事業者においては安全管理に気をつけていただきたいと思いますし、国においてはこれまで以上にきちんとした規制と監督を実施していただきたいと思っています。
○西日本新聞
それと、プルサーマルを本県で実施する意義について、改めてお聞かせください。
○知事
本県で運転をしている玄海原子力発電所でプルサーマルをしたいという電力事業者からの申し出があって、そのことについて慎重に検討してきたということであります。
原子力発電所の運転には、いろんな意味で変更をする場合に地元に事前了解を求めるという約束事があります。それに従って今回も出てきたということであります。事柄が事柄でありますので、ほかの場合と比べてより慎重な手続き、より慎重な検討方法で検討をしてきましたけれども、いろんな判断材料が積み重なって今日に至ったというふうに考えています。
例えば、国のエネルギー政策という面で言えば、このようにして、プルサーマルで事前同意をしたというところが出たという意味は大きいのかもしれませんが、そういったことではなく、我が県における原子力発電所を経営しているところからその方法について申し出がなされ、慎重に検討をした結果、今日の了解ということに至ったということに尽きると考えています。
○西日本新聞
私がお伺いしたのは、佐賀県にとってのメリットということなんですが。
○知事
ああ、メリットのことですか。
佐賀県にとってのメリットというのは、現時点でこうだと。メリットがあるからこういう判断をしようということではないと思っております。先ほど申し上げたように、出されてきた事前了解願について、果たして事前了解に値するのかどうかということを安全性を中心にして判断していったということであります。
現時点で直接的なメリットというものは明らかになっていないと思っていますけれども、午前中の会談の中でも二階大臣は繰り返し立地地域の振興については十分に国にとってもしっかりやっていくというご発言をしていただいています。なお、私どもも事実関係として申し上げれば、新しい核燃料サイクルについての交付金が予算案の中で措置されているということも知っております。ただ、それをあてにして今回事前了解があるというわけではないということは、どうかご理解を賜りたいと思います。
○西日本新聞
議会の答弁でも出ていたかと思うんですが、万が一今後、燃料の装填から操業開始になるまで、事故やいろんなミスなどがあった場合、事前了解を撤回されることはあり得るのかどうかを伺いたいのと、その場合、撤回の条件というか、判断は何をもって基準とされるのかを伺いたいんですが。
○知事
具体的にそういうことが今後起こり得るということを考えていれば、こういう事前了解はしないということをまず申し上げておきたいと思います。
私どもはこれまでの運転実績、そしてまた、今後の国や電力事業者の安全運転管理に関する方針を見ていても、そういう事故は起こらないと判断をして、今回事前了解をしているということであります。
しかしながら、今お話にもあったように、私もまた九州電力に申し上げましたが、起こってはならないし、ないと思いますが、万が一にほかの電力会社で起きたような大きな事故や不正が起きたときには、私どもが事前了解をする前提となった信頼関係というものが根底から覆されてしまうということだと、それをはっきり申し上げています。
今、どういう事故があるのかとか、そうなったらどうするかということを具体的には申し上げられませんが、あくまでもこの事前了解は、そういう信頼関係があって初めて成り立つものであるということをこの場でも強く申し上げたいと思います。
○日経新聞
日本経済新聞です。それに関連するんですが、これから4年間ぐらい、プルサーマルが本格稼働するまでにかかるかと思うんですけれども、その間に、佐賀県として九州電力への関与といいますか、受け入れの監視という意味でかかわりを強くしていくとか、そういった取り組みというのはなされるんでしょうか。
○知事
現時点ではまだ具体的にこうするという方針はありませんが、九州電力ももちろんそうすると思いますけれども、これまで以上に私どももいろんな意味でお互いに情報の流通をよくする、意思の疎通をよくする、そうしたことに努めていきたいと考えています。
○共同通信
先ほど県民の理解は深まったと判断されるとおっしゃりながら、要望や何かでまだ不安の声が残るということも再三訴えられているわけで、そこら辺の判断の基準をどの辺に置かれているのかというのがちょっとよくわからないんですけど。
○知事
もちろん、こうした問題について、すべての人が賛成というわけにはいかないと思います。
例えば、もちろん私のところにも不安だという声が届けられますし、それ以上に県民の代表者である県議会議員の方たちからも、一般質問などにおいてそういった声が届けられています。そうしたことについて私は申し上げているつもりです。
○共同通信
過半数を超えたとか、そういったことでしょうか。
○知事
過半数を超えたとか、そういうことではありませんし、私どもとしては、一定の理解というものはあるんではないかということを、例えば、地元がどうか、周辺地域がどうか、そして県民の代表者がどうかということを通じて判断している。それぞれのポジションにおられる方は、いろんな意味で住民の方々の声、県民の方々の声を聞きながら、そうしたことも伝えつつ、最終的に判断をしていただけると思っています。
ですから、そうしたものの声の総和、慎重だけども進めていっていいよというふうなことであるとするならば、それは、私は県民の理解が得られているということにつながっていると考えています。
○共同通信
代表者を除いて、知事自体の感覚としても十分な理解が深まっていると。
○知事
この判断をするのに十分な理解は深まっていると考えています。
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